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2026年9月8日
『あした』を、いっしょに考える。ーあした社会福祉士事務所からのご挨拶ー

福祉の仕事を長く続けていると、不思議なことがあります。
経験を積めば積むほど、何でもすぐに答えられるようになるかというと、むしろ逆です。
「この支援は、本当に本人のためになっているだろうか」
「安全を守ることと、本人の自由を尊重することを、どう両立すればよいのだろう」
「職員が一生懸命取り組んでいるのに、なぜ組織はうまく回らないのだろう」
「制度上は正しくても、それで本当にその人の暮らしはよくなるのだ ろうか」
福祉の現場には、マニュアルだけでは答えの出ないことがたくさんあります。
だからこそ私は、「いっしょに考える」ことを大切にしてきました。
現場には、簡単な正解がない
私はこれまで、障害福祉を中心とするさまざまな現場で、利用者支援、施設運営、人材育成、リスクマネジメント、権利擁護、組織づくりなどに関わってきました。
そこで何度も感じてきたのは、問題が起きたときに必要なのは、誰かを責めたり、すぐに「正解らしきもの」を示したりすることではない、ということです。
まず、
「何が起きているのだろう」
と立ち止まって考える。
本人の立場から見る。支援者の立場から見る。家族の立場から見る。そして、組織や制度、地域という少し広いところからも見る。
見る場所を変えると、それまで「問題」にしか見えなかったことが、違って見えてくることがあります。
そこに、次の一歩を見つける手がかりがあります。
理論と実践を、行ったり来たりする
福祉には、さまざまな制度、理論、研究があります。
しかし、理論を知っているだけでは、現場は変わりません。
反対に、経験だけに頼っていると、「昔からこうしてきた」「私はこう思う」という支援になってしまう危険もあります。
大切なのは、実践から考え、理論に照らし、もう一度実践に戻ること。
現場で起きていることを丁寧に見つめ、言葉にし、整理する。
必要であれば制度や理論、研究の力も借りながら、
「では、明日から何ができるだろう」
と考える。
私は、この往復を大切にしていきたいと思っています。
「あした」という名前に込めたもの
「あした社会福祉士事務所」という名前には、今日より少しよい明日をつくりたい、という思いを込めています。
大きな問題を一度に解決できなくてもいい。
支援の方法を一つ変えてみる。会議の進め方を少し変えてみる。本人への問いかけを一つ変えてみる。職員同士でもう一度話してみる。
そんな小さな変化が積み重なって、支援や組織は変わっていくのだと思います。
このコラムで考えていきたいこと
このコラムでは、障害福祉、権利擁護、虐待防止、個別支援計画、リスクマネジメント、人材育成、組織づくり、リーダーシップ、ソーシャルワークの理論など、福祉の現場に関わるさまざまなテーマを取り上げていきます。
制度や理論を説明して終わるのではなく、
「現場ではどう考えるのか」
そして、
「明日から何ができるのか」
まで考えてみたいと思います。
私自身も、書きながら考え続けます。
福祉には、一つの正解では割り切れないことがたくさんあります。
だから、このコラムも「正解を教える場所」ではなく、
よりよい「あした」を、いっしょに考える場所でありたい。
そんな思いで、ここから始めます。
あした社会福祉士事務所社会福祉士 山内哲也


